コリンとビタミンB12
両者の実力は、池田学長のいる高知医科大学の研究で、その真価を発揮しました。
研究班が行ったラットを使った実験は、まず痴呆状態になったラットを水槽に入れ、ラットには見えないように水槽内に避難場所を設置し、そこへたどり着くまでの様子を調べるというものでした。痴呆ラットはふらふらと迷い、なかなか避難場所にたどりつけませんでしたが、卵黄から抽出したコリンとビタミンB12を投与されたラットは、避難場所を早く見つけたのです。
実験ラットだけではありません。このコンビは人の脳にも効果があることも確かめられたのです。
同大学の研究班はさらに、アルツハイマー病の患者17人に、卵の黄身から抽出したホスファチジルコリンとビタミンB12を同時に、大量に摂取してもらうという臨床実験を行いました。その結果、なんと65%以上である11人に、改善の効果が見られたというのです。報告では「普段はふさぎがちな患者に、自分から手伝うような自主性や、感情面での改善点が見られた」とされています。
どうでしょうか。現在多くの人が苦しんでいる痴呆症や、『記憶力低下症候群』に悩む社会人や学生、主婦などのすべての人にとって、これは願ってもないニュースではないでしょうか。しかも卵黄や大豆といった食品が原料ですから、副作用の心配もありません。ホスファチジルコリンの働きを助けるビタミンB12は水溶性ですから、もし過剰に摂取したとしても体外に排出されるので全く心配はありません。
脳や記憶の障害に悩むすべてのひとに、この朗報はまさに福音といえるでしょう。
さらに、ホスファチジルコリンの特長はこれだけではありません。肝機能を強化する働きも持っているのです。肝臓はご存知の通りアルコールを分解したり、さまざまな栄養素の合成や、体内の資質を代謝する、とても大切な臓器です。「沈黙の臓器」とも言われ、具合が悪くなってもなかなか症状は現われませんが、それだけに一旦悪くなると、気付いたときには遅い段階まで来ていることもしばしばです。
ホスファチジルコリンは、肝臓に脂肪をつきにくくする抗脂肪肝作用があるといわれています。また、アルコールを分解する酵素を活性化させる働きもあるので、お酒を飲む人には有用なものと言えます。
さらに、ホスファチジルコリンの元となるレシチンには、血中コレステロールを防ぐという働きもあります。アメリカのモリソン博士は「レシチンには体内から多量のコレステロールを体外に押し出す働きがある」と臨床実験の結果を発表しています。コレステロール、特に悪玉コレステロールはワックスのように固まりやすい性質があって、そのままにしておくと血中にたまり、血栓の原因となるという厄介なものです。レシチンはこのコレステロールを体外へ排出し、高血圧や脳卒中、動脈硬化や血栓症、狭心症などを防いでくれるのです。さらにレシチンには、血圧の正常化や、肌の老化を防ぐ美肌効果もあるのです。
その他、ホスファチジルコリンは血液を固まりにくくし、動脈硬化を防ぐ働きがあって不要な脂肪の蓄積を防ぐので肥満を防止してくれます。中性脂肪などさまざまな物質の合成や分泌などに深く関わり、これらの働きを正常に保つ役目も果たしています。まさにホスファチジルコリンは老若男女問わず、誰にとっても大切な働き者といえるでしょう。